
通貨共有量を増やすという財政政策が国に与える影響は、各国の構造によって様々です。
米ドルは基軸通貨としての取引需要や外貨準備需要は根強い為、インフレ期待があります。しかし、米国の経常赤字や低金利の長期化という悩みもある事を忘れてはいけません。
日本円は、お金をたくさん刷り通貨供給量を増やしても、インフレが進みにくくなっているという構造で、インフレ期待の低さによる実質金利が上昇しやすいです。
また、英国がユーロの導入を見送った事やEU離脱は、「自分たちは大陸とは違う」というナショナリズムを強く感じますし、日本と同じ島国でも為替への考え方が少し違います。
日本は製造業中心で、輸出のために通貨は安い方がいいという考えですが、英国は製品はコストの安い国で作ってもらい、強い自国通貨で買い上げるのが合理的で通貨高もいとわないと考えています。
こうした国に根付いた通貨への思想を考える事は、大きなトレンドを見極める上で、とても重要ですね。