
今年7月ゴールドマン・サックスが「ドルの基軸通貨としての寿命に深刻な懸念が生じている」と指摘した。ドルが基軸通貨の座について75年余り。外貨準備高の約6割、国際決済の約4割を握るドルの支配力は今なお圧倒的だ。
しかし、金融緩和がドルの価値を低下させ、7月以降ドル売りが加速し、総合的な通貨の強さを示すドル指数は9に入ると、91台後半と約2年4カ月ぶりの低水準をつけた。
米中対立以前から、中国政府は人民元の国際化を進めていました。すでに中国は脱「SWIFT依存」への布石を打ち、人民元の国際銀行間決済システム(CIPS)を15年から稼働し、今年8月には参加金融機関が世界で1000行を超えた。
また、各国で研究が進む中銀デジタル通貨(CBDC)の実用化も、ドル離れを加速させる可能性を秘める。
中国は「デジタル人民元」の実証実験を主要都市で進め、22年にも実用化をめざす。欧州も「デジタルユーロ」の研究を加速させている。
ある有識者は、経済学者ケインズがかつて提唱した国際通貨「バンコール」のデジタル版が登場すると話しています。
一国の通貨が国際通貨になった事の弊害を、時代は取り除くのかもしれませんね。コロナ禍を機に、基軸通貨の在り方が変わるかもしれません。