
EU経済を牽引するドイツですが、来年のGDP成長率が-3.5%になる見通しと発表がありました。コロナで経済が停滞した2020年が-3.7%でしたから、非常に厳しい状況といえます。
欧州はエネルギー問題が深刻で、とりわけドイツはロシアに天然ガスを依存していた事が、今回の非常事態を招いたと言われています。
エネルギー価格が上昇し激しいインフレと共に、終わりの見えないウクライナ戦争によって、今後もエネルギー不足に悩まされていくようです。
国内では代替エネルギーへの転換が進められているようですが、転換する為の技術が高い事と、最大の懸念であるコストが高い事から、転換が不可能という企業が3分の1以上にものぼり、ドイツ経済の見通しを暗くしています。
これから本格的な冬を迎えるにあたり、ドイツ政府はガスの配給制という厳しい供給制限を強いるかもしれません。そうなると一部の企業では生産性が7%もダウンし、経営を圧迫して存続危機に陥る可能性も出てきます。
ドイツにとって今年の冬は例年以上に厳しくなりそうです。
因みに欧州全体の来年のGDP成長率は-2.2%、国別でみるとフランス-1.2%、イタリア-1.8%、スペイン-1.0%となり、アメリカ、日本、以上に景気が悪化する見通しです。