ESGは慈善ではない(4) 米モルガン

サステナビリティーを重視すると運用成績はどのように変わってくるのですか?

「その点については、多くのデータが蓄積されつつある。我々が1万1000のファンドを対象に過去15年間の運用を調査したところ、サステナビリティーの要素を考慮する投資が、考慮しない投資に比べて成績が劣後するということはなかった。さらに、ボラティリティーを比較すると、サステナビリティーを考慮するほうが低いという結果になった」

「過去18カ月は非常に振れ幅の大きな市場環境だった。サステナビリティー運用は下降局面において一般運用よりも優れた成績を出していることも分かった」

――サステナビリティー運用は下げ相場で強みを発揮するということでしょうか?

「私の考えでは上げ下げの両局面で有効だ。相場が下げているときには、環境問題など起こりうる様々なリスクに配慮することがより有効だ。マーケットが好調な時には、環境意識の高い企業が事業機会を見つけやすいとか、社会問題に配慮する経営が優秀な人材を引き留めやすく、革新を生みやすいといった側面に注目が集まりやすくなる」

-日経新聞より-

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