
環境保護や社会問題の解決が金融ビジネスの太い潮流になってきた。代替エネルギーの開発や海洋資源の保護などに関する投融資、有価証券の引き受け、助言を総称する「サステナブル・ファイナンス」(持続可能な金融)と呼ばれる分野だ。先駆者のひとりである米モルガン・スタンレーに金融と社会の関わりを聞いた。
「今やESGは至るところで頻繁に耳にするバズワードだが、モルガンが社内にグローバル・サステナブル・ファイナンス・グループをつくったのは2009年のことだ。
まだ金融危機の混乱が続く時期に、我々は金融機関や資本市場が何をなし得るのかを考えた。
気候変動への対処や格差是正、低所得者が富を得るための機会創出など、世界には課題が山積みだった」「そうした問題を解決するために、政府が資金を出すことは重要だが、それだけでは足りない。民間の慈善活動だけでも不十分だ。
そうであれば、金融の力を使って、もっと大々的に、社会にインパクトを与えるかたちで問題の解決に動こうと考えた。我々が目指すものは慈善やマーケティングではない。れっきとしたビジネスとして環境や社会の問題を解決していこうということだ」
-日経新聞より-