
米国株相場は8月、新型コロナウイルス禍の影響などまるでなかったかのように、元の強気相場へと回帰しました。
更に、それを追認するかのように、ジャクソンホールにてFRBが、ゼロ金利政策の新たな枠組みを公表しました。
FRBはインフレ率が将来2%を超える水準まで上振れてもすぐには利上げに動かず、ゼロ金利を当面の間は継続することを明確にした。これは、市場からみれば株価が過熱してもFRBが資産バブルを黙認するということを意味し、景気回復期待で史上最高値を更新し続ける米国株をさらに押し上げる方向に働く。
そこで気になるのは、いまの株価が果たして実体の裏づけのないバブルなのか、そして仮にバブルなのだとすればそれがどこまで膨らんでいくのか?です。
株式市場の時価総額を年間の名目GDP(国内総生産)で割った「バフェット指標」を見てみると、足元の水準は過去最高の174%に達しています。バフェット指標が100%を超えると、株価が割高水準にあると説明されることが多く、100%を超えたのは、ITバブル期の1997~2001年で、ピークは00年3月の143%。2回目はリーマン危機直前の2007年で、ピークは同年5月の107%でした。
そして、今回が3回目で、174%に達しています。
FRBの緩和政策により、未曽有のカネ余りによって「バフェット指標が100%を超えると株価は行きすぎ」という経験則は効かなくなっているようにも見えます。すでに米国株式市場は実体経済を7割超える規模に膨らんでいます。