
イギリスは23日に50年ぶりとなる25.5兆円となる大規模な経済政策を発表し、その中でインフレに苦しむ国民に対して減税案も発表しました。
これを受けて、減税した分の穴埋めとして大量の国債が発行される事が予想され、財政が悪化するという懸念からイギリスポンドが急落し、更に週明けの月曜日には、1985年2月に記録した1.054ドルの史上最安値を更新し、1.035ドルまで急落しました。
また同時に国債価格も急落し金利は上昇、それが世界に少しだけ波及し、EU、米国の国債金利が上昇しました。
アメリカのインフレ指数が注目されていますが、先進国の中でもイギリスは非常にインフレ率が高く、現在10.1%です。EUが8.9%、米国8.5%、日本2.4%と比べると頭1つ抜けています。
特にイギリスはエネルギー輸入国なので他のEU諸国とエネルギー確保競争により、調達コストが急激に跳ね上がっています。前年同期比で見ると8月には57%上昇し、2020年と比較すると、今後国民の光熱費は約5倍まで上昇すると言われています。
そこでイギリスの新政権、トラス政権では大型減税を柱とした経済政策を発表しましたが、これが市場を混乱させています。通常、デフレ時にお金のバラマキは良いのですが、インフレ時にバラマキ(財政出動)をすると、より生活を苦しめるというのが経済の基本です。そういう意味では、世界と逆行している日本の政策は、ある意味正しいとも言えますね。
アメリカ・ドイツも後を追ってイギリスのようになるともいわれている中で、イギリス・トラス政権がどのようにインフレを抑制していくのか、注目ですね。