
前回の続きで、EVシフトへの課題を2つまとめてみました。
まずインフラ整備です。充電が出来る施設の数が圧倒的に少なく、アメリカでは現在の5万ステーションから50万ステーションに拡大するとバイデン大統領が話しています。現在のEVは一度の充電で450km走りますが、国土の広いアメリカでは、不安が残りますね。その為、充電施設の拡大が大きな課題になっています。また、アメリカは石油の産地でもありガソリンが安いです。これもまたEV普及のハードルにもなっています。
そしてもう1つ、失業(雇用)問題です。現在、自動車1台作るのに必要な部品は約3万点あると言われていますが、EVとなるとその半分以下になります。裾野の広い業界の為、雇用への影響は避けられないと言われています。特に日本ではその影響が大きいと懸念しているのは、日本自動車工業会会長の豊田会長(トヨタ車の社長)で、約100万人の雇用を奪うと発言しています。現在、自動車関連で働く人は540万ですから、約5人に1人が職を失うと危惧しています。
なぜここまでの人数が影響を受けるのか?ですが、EV化は、生産拠点の変化を生むという事です。現在の自動車ほどの高度な技術は必要なく、多くの部品メーカーも必要ありません。少ない部品メーカーが多くの部品を同時に生産出来てしまう為、生産拠点が海外に移動すると話しています。また、二酸化炭素の排出量が規制がかかる中で、日本国内で二酸化炭素を排出しながらの生産は出来ません。今後は二酸化炭素の排出量が少ない地域へ拠点を移動する企業が増えるとしています。