
テスラ社は2021年2月にビットコインの購入を開始し、さらに3月にはテスラの自動車(電気自動車)の決済(購入)もビットコインで開始した。その後、テスラは、ビットコインを徐々に売却し、5月には自動車のビットコイン決済も停止した。なぜ2カ月程度で決済を止めたのか?
現在、世界の経済政策の最重要項目は「環境」、すなわち「脱炭素」である。その点で、電気自動車を生産しているテスラ社は環境志向の企業と思われていた。しかし、ビットコインの特殊な取引承認(採掘)のことをマイニングというが、そのIT的な処理には、非常に多くの電力を使用する。
その為、電力が安い、新疆ウィグル自治区・カザフスタン・イラン等のエリアにマイニング工場が集中しており、それらの地域の発電所は安い石炭発電で行われている。つまり、環境に関しては悪影響が大きいのである。
だから、ビットコイン等の取引をすること自体が環境配慮ではないと多くの批判が出たのではないか?と推察出来る。
世界の投資資金のうち約2割が「環境」を重視しているといわれており、環境に配慮している会社として株価を上げて来たテスラにとっては、まさに迷走と言える経営判断だったのではないかと思う。